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ツヨポンのお薦め愛妙 〜Episode6〜

 金曜日担当は長崎居留地男声合唱団Baritono、通称ツヨポンです。  ツヨポンのお薦め愛妙第5弾は2012年10月スイス🇨🇭LausanneのOpera Lausanne(ローザンヌ歌劇場)での公演。  舞台設定は何と麦畑に放置されたトラクター🚜を住処とする私達の1/10ほどのサイズの人々のトラクターのタイヤ脇、麦の茎の隙間のサンクチュアリ。ドゥルカマールも巨大なワインボトルを荷台に載せたcarrozzaで登場する。  変わった設定だがヨーロッパだけにスウィフトのガリバー旅行記や親指姫にヒントを得てのアイデアかとも思うが、まず頭に浮かんだのはスタジオジブリの「借りぐらしのアリエッティ」。日本での上映が2010年、フランス🇫🇷、イギリス🇬🇧でも2011年に公開されておりタイミング的にも符合するのだが…。  Adina役は第4弾として紹介した2017年3月のウィーン国立歌劇場の公演でも同じ役を演じたオルガ・ペレチャトコ。本作から5年の歳月は彼女に円熟味を加えていた。  今更ながら今回初めて気付いたのがこのオペラの台本がFelice Romaniによるものだということ。今までイタリア🇮🇹の首都ローマに関連した何かと思ってスルーしていたけど他都市での公演にローマがどう関わるのかと思って調べたら詩人で台本作家の名前でした。  それにしても世界の至る所で行われる「愛の妙薬」。様々な時代やシチュエーション設定で演出されていますが、そのどれもがオリジナルの歌詞を変えることはありません。どのような設定であろうとCoroがMietitore(麦刈り人)と歌うことになります。やっぱり無理があるなぁ。僕たちは原作の通りに19世紀初め頃のスペインのバスク地方のMietitoriを演じます。   https://youtu.be/iUwdO1OBdlA 10 月 26 日(日)は長崎ブリックホールで僕たちの「愛の妙薬」を 是非見に来てください。 オペラ「愛の妙薬」 絶賛チケット販売中です! 良い席はお早めに・・どんどんご予約を頂いております。 こちらからお入りください #オペラ「愛の妙薬」 #長崎居留地合唱団 #ベネックス長崎ブリックホール

オペラ「愛の妙薬」のスピンオフ・・・”ちくちく愛妙会”

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 オペラ「愛の妙薬」で大切なものの一つとは?それは衣装です。舞台は19世紀、スペインのバスク地方の村。私たちが演じるのは農民です。自然素材を使用したものであり、色も派手なものではなく金属製品は使用されない。勿論ベルトもございません。そのような条件で素敵な衣装を探し出すのはなかなか難しいというのが正直なお話です。 それでは自分たちで作ってしまおうという声からできたものが”ちくちく愛妙会”。今回はオペラ「愛の妙薬」のスピンオフでもある素敵な物語を皆様にお知らせしたいと思います。 題:ちくちく愛妙会 「オペラは総合芸術なり」 5月3日:楽しい連休中、長崎居留地女声合唱団オルテンシアの連絡ラインのこのような投稿から“ちくちく愛妙会”が始まりました。 「Mです。趣味で洋裁をやっております。愛の妙薬の衣装制作を打診されているのですが、一人ひとりに合わせて調整するのは矢張りなかなか難しいです。そこで提案がございます。みんなで一緒にワイワイ言いながら衣装づくりをいたしませんか?自分で作った衣装で舞台に立つのは格別の喜びだと思います」 この呼びかけにオルテンシアから総勢11名の申し出があり、ここに愛の妙薬衣装制作集団“ちくちく愛妙会”がスタートしたのでした。 短大の被服科卒業生や、自作のウェディングドレスで結婚式を挙げた”つわもの”もいれば、家庭科の授業で叱られた経験から「針と糸を見るのもいや!」という”つわもの?”もいらっしゃいます。11名の大半が中学校以来の体験となりそうですが、それでも「やってみよう!」と志したその意気やよし! それでは、しばし活動の様子を実況中継風にお伝えいたします。 「えええええ~・・・・なんで直線と曲線がつながっと?信じられん」 稲城市民オペラの会員さんから提供していただいた型紙は、本格的な立体裁断。つながるはずがないと思えるパーツをつなげたら、何と!美しいバストラインのビスチェが出来上がるのでした。 「うわあ~すごーい!感激!」 「せんせーい!布と布が合いません。しくしく・・・・」 すべて何でもトライ&エラーの繰り返し。はみ出した布を切ってしまえば問題は解決。ほうら出来上がり。 「人生で初めての感動かも・・・・」 皆の手から、次々とビスチェやエプロン、スカートが出来上がっていきます。そして我が家の一室は歓びの声が響き渡ります。 オペラは総合舞台芸...

ド素人合唱団員(その6)

     先週 6 月 20 日~ 22 日の 3 日間、演出家の馬場先生に東京から来ていただき、10月26日開催されるオペラ「愛の妙薬」の実際の舞台をイメージした練習でした。今回はその内容について書かせていただきます。     男女合わせて約 50 名での合同練習で、演技中心の練習でした。パート毎にグループを決め、実際の舞台での立ち位置や、出入りするタイミング、ソリストの歌に合わせての動きや表情など細かいところにまで気を配りながらの練習でした。   馬場先生が言われたことで印象的だったことは、「効率を求めていません。」と言われたこと。ただ演出家の支持通りに表現するのではなく団員一人一人が考えてそれぞれの判断で表現するということ。つまり判断力が求められるということです。   判断するには我々は判断するための情報が必要になります。先生は終始私たちにいろいろな情報を与えてくれました。「愛の妙薬」のできた時代背景や歴史。当時の農村の情景や農作業の内容。農民が集まる「広場」とはどのようなところなのか。そして、ソリストが歌う歌の内容や、歌詞や単語の意味。音の変化の意味などなど。   例えば、当時ほとんどの農民が文盲であったこと。私が演じる農民は字が読めない役柄です。字が読めない私にとって、主人公アディーナの読む本がどれだけ面白いもので、どれだけ引き込まれることであったでしょう。そんな細かい情報を持っていることで、私たちの動きや表情はおのずとその情景にあったものになっていくのです。   3 日目の練習では、キッズコーラスの子供たちも加わっての練習でした。ここでも「効率」を求めることなく一つ一つ丁寧な説明で、子供たちものびのびと演技ができたようです。     この3日間は私にとってとても濃厚な時間でした。そしてオペラの偉大さに気づかされた3日間でした。「愛の妙薬」の初演は 1832 年ですから日本はまだ江戸時代。作曲家ドニゼッティが亡くなってから 177 年。 2025 年の今もなお人気の作品です。天才作曲家が作った作品に参加できることに感謝の気持ちと畏敬の念がわいてきました。   練習の様子   https://yo...